サケよ!

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利根川でサケの遡上を見ました。
といっても、川辺を散歩していて偶然にもみかけたのではなく、(そんなことがあったらすばらしいけれど!)利根大堰の観察会にてのこと。魚道わきに設置された特別な窓からの観察です。

自分は、川を泳ぐサケの姿をはじめてみました。
「生命力」というものがもしあるならば、それを眼前に生々とみた気がします。サケたちは、強い魚道の流れに抗して、身体をいっぱいにしならせながら、ただただ上流へと進もうとしている。

数年前にこの利根川を旅立ち、遠く北太平洋まで至り帰ってきたサケの長旅を思いだすと、胸が熱くなります。彼らは、ベーリング海の海の色、アラスカの海のにおいを知っているのです。ザトウクジラにも出会ったかもしれない。

一度川に入って遡上をはじめたサケたちは、もう何も食べないのだとか。
その眼光はぎろりと鋭く、ばちっと目があうと、フリースを着てぼさっとつっ立っているだけの自分のフヌケさが恥ずかしくなってきました。
からだの芯がざわざわしてきて、ああ、もっと生きなければ!と思わせられる。
「サケよ!」と叫びたくなる。

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事務所に帰ってから、『鮭の一生』(稗田一俊、野田知佑ほか著、新潮社)という大好きな本をひっぱりだしました。
稗田さんの力強い写真とあわせて、「サケよ、のぼれ」と題された文が実に感動的です。野田知佑さんの「サーモン・ブルース」もおもしろいですし、さらに萱野茂さんが「アイヌと鮭」について書かれています。サケに興味があるなら、おすすめの一冊です。

利根川では今日もたくさんのサケたちが、必死に上流をめざしていることと思います。
いや、利根川だけでなく、北半球の無数の川でサケたちはそれぞれの源流をめざしているはずです。
(佐々木光)

本:
『鮭の一生』
https://www.amazon.co.jp/鮭の一生-とんぼの本-稗田-一俊/dp/4106019272

情報:
利根大堰におけるサケの遡上状況
独立行政法人 水資源機構利根導水総合事業所
http://www.water.go.jp/kanto/tone/08sojyo_data/sojyo_main.html

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